『LOVE LETTERS』

PARCO劇場 2005年8月11日19:00
出演:入江雅人・紫吹淳

公式サイト

舞台にはテーブルと二脚の椅子。
並んで座った男優と女優が、手にした台本を読み上げるだけの2時間。
「ラヴ・レターズ」は1989年ニューヨークで初演されるやいなや、
全世界で上演され、静かなブームを巻き起こしました。
パルコ劇場でも1990年8月19日に幕を開け、それ以来、この一つの台本を
年齢も個性も異なった様々なカップルが読み続けています。

(以下、万華鏡掲示板より転載)

★ LOVE LETTERS / NEL
観てきました。
私は原作を読まずに鑑賞させていただいたのですが、前評判通り、とてもいい作品でしたね〜(しみじみ)。物語についてはやはりあまり具体的に「最後はどうなる」とか語らないほうがいいのだろうなこれは…と思いますので、バラさない範囲でご報告をさせていただきます。
『Love Letters』の公式サイト(↑上記リンクをご利用ください)にもありますように、舞台セットはふたりが座る2脚の椅子と、水のグラスが置かれたテーブルだけ。おふたりは客席を向いて座り、朗読のあいだは椅子から立ち上がって演技をするようなことは、ありません。
アンディ(入江雅人さん)はメリッサに宛てた手紙を読み上げ、メリッサ(りかさん)はそれへの返事を読み上げます。ほんとうに「読む」だけなんですが、それでもさまざまな事が二人の声と姿から伝わってきます。
一人が手紙を声に出して読んでいるとき、もう一人は自分の所に届いたその手紙を目で読んでいるという事になるわけです。その間たとえば相手のちょっとした言葉遣いにムッとしたり、ウキウキしたり、呆れたりしてるのもなんとなく伝わってくるので、喋っていないほうの人からも目が離せないのです。
朗読というと声だけ聞いてればいいような気もしますが、やはり、舞台で観るというのはラジオドラマなどとはまた全然違う、緊張感と面白さがあることがわかりました。

まずはほんの小さい子供のころのふたり…ほほえましいです。誰にも覚えがあるような「小さな恋」みたいなところからはじまり、だんだんと自我がはっきりしてきて、相手に対して言うことも個性が出てきます。アンディは真面目な優等生タイプの男の子(でも「さまよえる王女みたい」なメリッサに惹かれてる)メリッサは感情の起伏が大きく奔放なお嬢様(アンディのどこに惹かれたのかは謎?)。
あいかわらず紫吹淳さんの凄い処は「あ、いま中学生くらいかな」とか「高校生っぽいな」とかいうのがハッキリわかるんですよね(笑)
思春期から青春期のふたりは、相手にやきもちを焼いたり、心配したり、むくれたり、誘ったり、失敗したり謝ったり色々しながら成長していきます。このへん聞いててつい笑ってしまう処も多々…(^^)特に入江さんは笑かせてくれました。りかさんもキュートでした。

えと、お衣装(ていうか自前だと思いますが)は、1幕の入江さんはラフなベージュ系のシャツとパンツ(だったと思う;)りかさんは白に黒レースを沢山あしらった可愛らしいワンピースドレスでした。(←まさに「オズの国の姫君」でした!)髪は自毛(黒のショートカットで前髪おろしてる)。

休憩を挟んで2幕になると、入江さんは黒のかっちりしたジャケットに小さな白い菊?のコサージュをつけています。りかさんは綺麗なベージュ一色のマーメイドドレスで胸に蘭?のコサージュをつけ、素足に金のサンダル。このドレス姿…シンプルなだけに物凄く色っぽくて、そのりかさんが登場された時には客席からどよめきのようなため息のようなものが湧いていました。

2幕では、大学を経て大人になっていく二人の、手紙のやりとり。
結局ふたりとも別の伴侶を得て子供もつくって…アンディは海軍から法律家そして政治家への道を、メリッサはイタリアに渡りアーティストとしての道を進んで行きますが、手紙の中では、手紙の中だけのふたりの交流が続いています。
相手の結婚を祝いながらも内心は複雑だったり、アンディの形式的な挨拶文を読んだメリッサが激怒したり、お互いについ嫌味を言ってしまったり、又それを反省したり…………新年の挨拶だけが何年間も続くときだってあります。
聞いていても「たしかにこのふたり、結婚しても上手くいかないだろうなぁ」と思わされ…でもどこかに結婚以上の絆を感じさせるふたりなのです。
それらが、決して過剰な身振りや声色を使うことなく、むしろ淡々と読み上げられていきます。
というと退屈そうに聞こえるかもしれませんが、むしろ1幕より2幕のほうがぐっと世界に引き込まれる感じでした。
特に、やはり、中年をすぎて仕事に行き詰まって行く(同時に精神生活も破綻していく)メリッサは、紫吹淳さんの力のみせどころというか………まあ聞いてる自分がその年代だっていうのもありますが……聞いていて胸に詰まるものがありました。
最後はやはり泣けてしまったし……でも悲しいだけではなくて何かズーンとしたものがあって、私は、カーテンコールが終わって客電がついても、なかなか椅子から立ち上がる事ができなかったです。

とてもいい舞台だったと思います。
1回だけの上演というのが勿体ない気もしますが、1回だけだからこそリアリティがあるのかもなぁ…(だって本当の人生って1回きりじゃないですか?)

また、りかさんを通して新しい女性を見ました。私の中では、今回も「紫吹淳さん」とは違う「メリッサ」という女性のビジョンが出来上がりました。それは破天荒でナイスバディで豪華な金髪と財産に恵まれた、でも傷付きやすく不安定な心を持ったアメリカの女性アーティストです。たぶん今回の思い出として絵を描くとしたらそんな「メリッサ」を描くでしょう(朗読してるりかさんと重なって、ボインなブロンド美女がそこに居るのが見えたです)。

りかさんは、着実に「女優」として力を増しておられる…と思います。
朗読劇ということもあるのでしょうが、発声もしっかりしてて変なクセもなくなっていたように思え、安心しました(←えらそうですいません〜)
ただ私的には、まだまだ、「りかさんが演じる女性」よりも「りかさん本人」のほうが全っ然、魅力的に思えてしまうのです。それはファンだからあたりまえなのか〜それとも、まだまだこれからもっともっと魅力的な演技をされるようになるのか。
ずっと見守っていきたいと思います。

会場の物販で本を買うと、出演者さん達のコメントが載ったチラシを貰えるということで、私は『LOVE LETTERS』原作本を買いました。りかさんのコメントはあいかわらずアッサリ(笑)で。入江さんは「紫吹さんは、僕が何をやってもたじろがないでどっしり演ってくれそうなので安心してます」とコメントされてました(そうなんだ〜/笑)。
会場ではお久しぶりに「いつもの」りかファンの方々ともお目にかかり、お話できて嬉しかったです。(終演後のゴハンにおつきあい頂いた某樣某樣某樣某樣、ありがとうございました。)
長くなりましたが、以上ご報告と感想でございました〜。

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☆ Re: LOVE LETTERS / 梨雪
NEL様、早速の詳細なご報告ありがとうございます。
正直こんなに早く読めることになるとは、望外の喜びです。
何かいいですね。一回きりの舞台、一度きりの人生のシンクロと言う感じで、また素晴らしい女性像を創造されたりかさんの(「紫吹淳さん」の)溢れるような輝きが伝わってきます。
この上、記念にビジュアルなメリッサさんも拝めるかもしれないのですね? 短い首を伸ばしてお待ちしております。
ずっと見守っていきたいと思わせられるりかさん・・・やっぱり生で見たいものですが、こうして詳しく熱いレポを拝見するにつけ、それだけの魅力と言うかパワーを放出されていらっしゃることに感銘を受けてしまいます。
どうか、りかさんが又素晴らしい舞台(に限りませんが)にめぐり合えることを祈ってます。
今回も本当にご報告ありがとうございました。心癒されました。(お恥ずかしながら子どもたちが夏休み中は、いつにも増してストレスが溜まること。11日、「LOVE LETTERS]の事も忘れるくらいに)

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☆ Re: LOVE LETTERS / うず
そうでした・・・昨日だったんですね・・・
一度だけの、しかも限られた方しか観られない舞台。
だからこその、早い詳細なご報告。
いつもながら私たちにたくさんのご配慮いただいて、NELさまほんとうにありがとうございます!!
りか切れにあえいでいる最中、CSで「ESP」などをみてますます、なんというか、まいったというか、滅入ったというか、うしろ向いちゃったというか(何言ってんだか・・・)でございましたので、読ませていただいて、すっきり立ち直りましたわ・・・^^;
明日からまた頑張ろう という気分。。。
でもやっぱり最後に一言「観たかったぁ〜〜〜。(涙)」

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☆ Re: LOVE LETTERS / わさき
NEL様、報告ありがとうございました
実は私も見ることができたのですが
相変わらず、どう書けばいいの、この感動を・・
だったので何も書けずじまいで
私も原作は読んでいなかったのですが
一応ネットで過去の観劇感想を少し検索し
何となくのストーリーなど頭に入れて観劇しました
最初が子供時代からだったので
少し心配でしたが、第一声を聞いた瞬間、
かわいいっ!!と思いました
自然でしたね。
とても聞きやすくて、それでいていい声で。
ライザの少女時代を経験したことがよかったのかな
2幕のリカさんメリッサが椅子に座ったと同時に
脚を組んだのですが、
少し椅子にしなだれかかる感じではなかったですか?
衣装も変えてきたから当然なのかもしれませんが
その動作だけで大人の女性を感じてしまって
ドキっとしてしまいました
あの座り方も役作りの一つだろうか・・などと考えて
気を落ち着かせました
(バカみたいですか?私・・・)
アンディが結婚したと知った時のメリッサの心の動き
このあたりから少しずつ私の涙腺は刺激されてきました
最後のほうは涙が止まらなくて
すっかりメリッサに感情移入
ラストのほうのアンディ入江さんにも
泣かされてしまって
2幕後半、メリッサが精神を病んでいくところは
すごかったですね
ああいうところはまさに、紫吹淳だと思います
確かに見せどころですね、NEL様
もう一度見たいと思う舞台だったし、
まだ紫吹淳を知らない人にぜひ見てくださいと
言いたくなる舞台でした

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☆ Re: LOVE LETTERS / 華・J・万
NEL妃、わさきさま、ご報告読ませていただきました。
リカちゃんの進化はとどまることを知らない勢いですね。リカちゃんはすっかり大人の女性ですね(いや実際そうなんですが)。
メリッサとこの日出会えた皆様、一時とはいえとても大切な一日を頂いたことと思います。
梨雪さま、はやく生で見られますように・・・
より元気がでるとおもいますよ(って俺最近見てねぇじゃん)
うずさま、実は先日わたくしもCSは見られないのですがビデオで「ESP」見てましたんですよ〜。
『奇遇です』(トート閣下風に)
大階段でリカちゃんが赤い変則燕尾で構えているのを見ると、『炭酸せんべい』を思い出すのは私だけ?

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☆ Re: LOVE LETTERS / あすかぽん
感想、ありがとうございます。
前回の朗読劇「赤と黒」とちがって、椅子に座ったままの朗読。視覚での表現が制限されているから難しそうだなと思ったのですがやはりリカさん、しっかりと胸を打つ「メリッサ」を演じてらしたようですね。
お衣装替えもあったなんて!ベージュのドレス、いつか見れる機会があればいいな〜。
原作を是非リカさんの声で(脳内再生して)読んでみたいなと思いました。
>華・J・万 さま
炭酸せんべいって!(笑)そういえばそうでした!(そして私もCSでESP!見てマシタ(ビデオも持ってるのに〜))

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☆ Re: LOVE LETTERS / NEL
みなさまレスをありがとうございます(m--m)

梨雪さま、うず様
この作品でアンディとメリッサは50年間も繋がりを持ち続けるのですが、本当は、手紙好きなのはアンディの方だけで、メリッサは「こんな手紙なんてくだらない(それより直接会うほうがいい)」と何度も書いているんです。
しかもその年月の間には本当に色々あって。思春期に盛り上がって結ばれるかと思いきや、肉体的にはうまくいかなかったり…(そこでメリッサは、手紙の中のアンディと現実のアンディは微妙に違うんだって事もわかってしまいます)どちらかが相手を怒らせて、ずーっと返事をもらえない期間があったり(それも何回も;)。
そして歳とってから熱いデートを重ねるときには、それは不倫という形になってふたりを苦しめます。
でも、最後にアンディがメリッサに宛てた手紙を読むとき、やっぱり「いい関係だったのだな」とじ〜んとしてしまう(ここでは、おふたりとも泣いていらっしゃいました)。最後の最後メリッサがアンディに「ありがとう…」というときの声は本当に優しくて、全てを受け入れる愛に満ちていました。幸せだったんだと思う…たぶん。

私も今回の観劇で、りかさんへの想いがすーっと落ち着いたような気がしました。
私も色々なイベントや観劇を諦めないといけない時が多いです(今回は行けましたが;)。その度にがっかりしたり、後ろ向いたり…これからも色々あると想います。
でもそれでも、きっと紫吹淳さんの事はずっと好きでいられる(好きでいてもいいんだ)という気がします。
遠くからでも、気長〜に見守っていきたいですね。

わさき様
子供時代のメリッサ可愛かったですよね〜! 私は、つい「プロヴァンス〜」の少年アンドレですとか「大海賊」の少年エミリオですとかに萌え萌え(←オタク用語だ;)だった頃を思い出してしまいました。メリッサは可愛いだけじゃなくあのこまっしゃくれた感じが良かったです。
2部のドレスは本当、ちょっと危険すぎるくらいセクシィで…。ついうっかりりかさんの肉体に気をとられてしまうと、朗読が耳を素通りしてしまうという…あのポーズもよくないですっ(←よろこんでます)

万次郎さま
りかさんはより自然な感じの「いい女」になってますよ〜。匂い立つようなお色気といいますか…
つぎに舞台があるときは、ぜひご覧になられて、一緒に盛り上がりたいですね。

あすかぽん様
原作は図書館にあるそうです。舞台でりかさん達が持ってめくっておられたのも、市販されてるのと同じ原作本(表紙が白で見返しが赤い)だと思いますのでぜひ手にとって浸ってください。

*もし、読みたいのに図書館や書店で本をみつけられないという方がいらっしゃいましたら、NELのをお貸ししても良いです



2005/08/21 Edit by NEL