[ジャック・ブレルは今日もパリに生きて歌っている]
-Jacques Brel is Alive and well and Living in Paris-

ル テアトル銀座 2006/05/12(金) 19:00
             05/13(土) 13:00/17:00
             05/14(日) 13:00
主催/製作:アーティスト・ジャパン
制作協力:オスカープロモーション

出演:紫吹淳 吉野圭吾 劔持たまき 池田聡

作詞/作曲:ジャック・ブレル 原案:エリック・ブラウ/モート・シューマン
訳詞/演出:青井陽治 音楽監督:樋口康雄 振付:本山新之助

演奏:P/大隅一菜 G/西澤譲 B/水野清久 D/石田淳 Kb/寺田鉄生
ギャルソンJ:北川能功

*LINK
主催者公式サイト アーティスト・ジャパン
樋口康雄さん公認ファンサイト 1/1000000000000ism
池田聡さんのHP Satoshi's microcosmos web pages

*SONGS
序曲              バンド演奏
マラソン(フラマンドの女たち) 全員
孤独              紫吹淳
マドレーヌ           吉野圭吾
私の愛             劔持たまき
マチルド            池田聡
独り者のダンス         紫吹淳
臆病な人たち          劔持たまき 池田聡 吉野圭吾
私の死             池田聡 劔持たまき
女と犬             池田聡 吉野圭吾
ジャッキー           紫吹淳
彫像              吉野圭吾
絶望した人々          全員
息子たち            池田聡
アムステルダム         紫吹淳 全員

牡牛              紫吹淳
老人たち            池田聡
故郷マリーク          吉野圭吾 全員
ブリュッセル          劔持たまき 全員
ファネット           池田聡
葬送のタンゴ          吉野圭吾
ブルジョアども         池田聡 吉野圭吾 紫吹淳
ジェフ(、君はひとりじゃない) 紫吹淳
次!              池田聡
華麗なる千拍子         劔持たまき 全員
愛さえあれば          全員

*REPORT(万華鏡掲示板より転載)
★ ジャック・ブレル / tama - 2006/05/14(Sun) 20:16:53
はじめまして、時々掲示板拝見しています。
ジャック・ブレル行って来ました。そして帰ってきたばかりです。後半の2〜3曲だけ黒のドレスで(すごく背中があいててドキドキしました)他は男役スタイルでしたね。
ブレルの世界がRIKAさんの世界と融合して、たくさんの物語を見ているようですた。アリオン、プガチョフ、ルキーニに時々会えたような気がします。
私はRIKAさんにこれからも、男女を問わずいろいろな役をやってほしいと思っています。今回も男性相手に男装で踊ったけど、しっかり男に見えてました。この公演もDVDになるといいのにね。
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☆ Re: ジャック・ブレル / floria - 2006/05/14(Sun) 21:58:02
tama様
私も深く感動しました。男役であんなにたくさん歌って踊って、充分過ぎるほど格好良かったですね。ブレルは初めて聴きましたが 力強くて凄いエネルギーを感じました。また新しい紫吹淳を見せていただいた気がします。
DVDが無理ならCDでも欲しいです。
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☆ Re: ジャック・ブレル / くり- 2006/05/15(Mon) 01:43:40
tama様、初めまして。皆様初めまして。
そして、NEL様大変お久しぶりです。くりでございます。
私、紫吹さんのご卒業後はひっそりと陰から応援しておりました。そんな私が、僭越ながら書きこみをしてしまう程この舞台は凄まじかった・・・。劇中のブレルの歌は一曲しか知らなかったけど、刃物のように鋭く容赦の無いしかし現実を曝け出すブレルの世界を紫吹さんは身を賭して表現していました。観劇後、後頭部が殴られた様に痺れ、雨の銀座の街をうろうろ歩きました。そして、また劇場に戻って夜の部のチケットを求めてました。残念ながら、あの舞台について語る言葉がまだ見つかりません。ただただ、あの衝撃のみをお伝えしたくて・・・。恐るべし紫吹淳、「あんた何者だい!?」
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☆ Re: ジャック・ブレル / NEL@夜行で帰宅 - 2006/05/15(Mon) 08:09:33
tama様はじめまして、ようこそいらっしゃいました。
私は千秋楽のみ観劇させていただきました。
今回の舞台は…予告で「男女ふたりずつ」と思わせて実は「男3女1」の物語り、が最後に男一人が退場して別の女性が現れるどんでん返しみたいな(笑)観ている人を「ええっ」と驚かせるものがあったと思います。
本当にいろいろなりかさんが見られ、最後の部分だけとはいえ美しい女神のような女性としての姿も見られて大変満足でございました。ああいう、古典的というか典型的な女役さんドレスというのは実は初めて観たような気がします。そのドレスで吉野さんにリフトされるところも、綺麗に裾が広がって素敵でしたね〜。
反して男装(ワインカラーのスーツ)で吉野さん、池田さんと並んでいる時は、ほんとうに個性の違う男性3人が横並びという感じで面白かったです。
改めて、りかさんが今まで築いてこられたものの数多さ、それをいつでも引き出すことの出来る実力、すごいなと思いました。
floria様
私もCDがほしいです〜。今回のライヴ録音でもいいしスタジオでももちろんいいし、ブレルだけにこだわらず紫吹さんが好きな歌を吹き込んでCDにしてくださるんでもいいです。とにかく、部屋で紫吹さんの歌声をゆっくり聴けるようなCDがそろそろ欲しい〜!
くり様
お久しぶりでございます!よくお越しくださいました。
私も今回は初めて観るタイプの作品で、とてもおもしろかったです。
4人の出演者さんをあえて言葉にはめれば池田聡さんは「ヴォーカリスト」剣持さんと吉野さんは「ミュージカルの人」でしっかりと「歌って」おられたのに対し、紫吹さんはあくまで「身体表現者」として全身で「演技」をされていたと思います(つまらない分析ですみません…;)。辛い言い方をすればりかさんのは「歌唱」になってなかったと思います。でもその「声を含めた全身での表現」が非常に鋭くエネルギッシュであったことは皆さん仰る通りで、それで四人の中でりかさん一人が浮く沈むということもなく、不思議なバランスで舞台が成り立っていたのが流石でした。
やはり、紫吹淳というひとはいつ観ても「不思議生物」だと思います。観続けることをやめられません…(笑;)
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☆ Re: ジャック・ブレル / K - 2006/05/15(Mon) 13:34:38
NEL様
夜行帰宅お疲れさまです!私は2回ほど行かせていただきました。(マイクの)音響が凄くて私はちょっと耳が辛かったです《悪い意味じゃないんですが》
リカさん男役だけかと思ったらラストにどんでん返しでしたね☆
表現者だなぁ〜と強く再確認しました!
リカさんはどれも好きですが、『アムステルダム』が特に好きで、闘牛のもカナリ好きで(結局全部好きです(笑))
吉野さんとのデュエットでカツラが外れるとゆう正確には外れかけて元に戻りダンスは中断とゆうハプニング起きた回も観ました。リカさんも初めてだったようで…私もドキドキしてしまいましたが…(^_^!)嬉しかったり《←こらこら》
カーテンコールでまた踊ってくれたとゆう…ご自身は悔しいですよね。今日この時間しか観ないお客さんもいらっしゃいますからね。プロ根性とお客さんに対する思いを強く感じました(^-^)大好きです、リカさん!
私もDVDが無理なら実況CD希望です!そろそろリカさんCD出されても良いのでは?なんて一人考えてる私です(*^_^*)
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☆ Re: ジャック・ブレル / NEL- 2006/05/17(Wed) 07:38:38
K様、ご感想をありがとうございます!
音の面では…シャンソンといえば割と静かな演奏(バイオリンとピアノと、あとアコーディオンとか…)で、歌も囁くような呟くようなといった先入観があったのですが、今回の舞台ではドラム・ベース・ギターとキーボード・ピアノ。つまりいつものコンサート等と同じ編成で、ロック的な派手な音でしたね。私はまずそれにびっくりしたです。
りかさんの歌った曲で私が一番好きなのは…「ジェフ」かなあ?好きというか「表現者・紫吹淳」を一番堪能できた曲でした。曲の内容的には、失恋した友達を慰める男同士の友情の歌らしいのですが、りかさんは、自分自身に言い聞かせるような一人芝居のような演技をなさっていて、心の痛みが突き刺さるようでした。酒瓶を持ってコートを羽織った姿がとてもハマっていました。
アムステルダムもかっこよかったですね。最後の音を伸ばすところとか迫力ありましたね〜。
逆に「牡牛」や「ジャッキー」は、カッコよすぎて…ちょっと違うのじゃないかな?と思ってしまいました。(すいません。いやほんと、カッコよかった事は充分すぎるくらい認めるんですけれども)特に「ジャッキー」は、ジャック・ブレルが自分のことを歌って「毎日一時間はアイドルになる(それ以外は情けない男)」という歌ですが、紫吹さんを観てると「俺は24時間スターさ!!」という風にしか見えないんですもの…;格好よすぎるんです。
あとは、コーラスの中にいるりかさんも私は好きでした。「ブルジョワども」の曲で、3人の男のうち一人だけ眼鏡をかけてトボけたキャラを作っていたところとか面白かったです(それも若者から老人になっていく様子が…)「ブリュッセル」や「華麗なる千拍子」で4人で並んでいるところも好きでした。4人の個性がそれぞれ際立っていたので全体を観るのが楽しかったです。
カツラがとれた…というのは2日目の夜と聞きました。なんか、もう一度踊ったとか^^;それってどうなのかなあ…

私が観た千秋楽の回では、アンコールで「ブリュッセル」をもう一度みなさんで歌ってくださいました。本編ではりかさん男だったのですが、アンコールではドレス姿で同じパートを…なのでダンスも2パターン見られて、とても得をした感じ(^^)。手拍子も盛り上がってとても楽しかったです。本編では手拍子を控えていた私でしたが(←曲を聞きたい時は、手を叩く音が耳に入るとウルサイから)アンコールは楽しくノらせて頂きました。
さらに、吉野さんとりかさんが前に出てちょっとアドリブでダンスソロをして下さり、その時のりかさんは子猫のよーにキュートでとても可愛らしかったです。
アンコールは何度も何度もあったのですが、最後のカーテンコールで、りかさんはお隣の吉野さんに何か話しかけてご自分は急にシモテの袖に走っていかれ、そこにいらしたスタッフさんを強引に舞台にひっぱってこられました(名前を紹介されなかったのでわからないんですけど、舞台監督さんか演出さん…?)吉野さんも反対側から一人ひっぱってこられ、とても困ったような顔のスタッフさんたちでしたが、客席からは大きな拍手が贈られました。
私は、いつかまたこの作品で歌うりかさんを観てみたいと思います。またきっと今回とは違った演出で違った出演者さんでしょう。
そのときはもうちょっと「地に足のついた」歌が聴ける事を期待して……

*OPINION
以下は、掲示板に書く事ができなかったNELの正直な感想でございます。
まったく個人的&辛辣で否定的な事もここでは書いてますので、そういった意見を読みたくないという方はどうか、この先は読まずに「戻る」を選択してください。

まず…私にとって紫吹淳さんはいつも「期待以上のものを魅せてくれる人」でした。
大体の場合、私は「素敵なりかさんが見られればそれで満足」と思って劇場に行き、実際には予想を遥かに超える感動を味わって「やっぱり紫吹淳さんは凄い」と思い知らされ…それの繰り返しで今まで来たと言っていいと思います。
しかし今回はちょっとばかり、私の期待のほうが上を行ってしまったようです。

もちろん、この「ジャック・ブレル」の舞台でも、いつものように綺麗でかわいくてカッコイイ紫吹淳さんを堪能できた。特に、男だけでなくドレス姿のりかさんを見ることができて嬉しかったのは万華鏡掲示板に書いたとおりです。なにより、地方在住で今では稽古待ちやツアーにも参加できず「慢性生りか切れ」の病に冒されている自分にとっては、生りかさんの舞台姿を拝むことができた、それだけでも満足といってもいいのです。

しかし、やはり私は期待していた…
ジャック・ブレルという人のプロフィールを知り、これまでこの作品がどれほど多くのアーティストによって作られ、どのように人々に感動を与えてきたかを知るにつけ、「りかさんにも、人生の苦味や儚さを語る大人の歌を歌ってほしい。そして私は心の底からゆさぶられ泣けるような歌が聴きたい」と。

結局、私が見たのはいつもと同じ、いやいつも以上に格好つけた「スター紫吹淳」でしかありませんでした。
私には、この舞台での紫吹淳さんは、悪い意味で飛んで見えました。
いわゆる宝塚的だからどうのこうのという意味の「飛び」ではありません。りかさんという人が地に足をつけることを拒んでいるように見え、まさに妖精のように宙空を彷徨っているように見えたのです。
そしてその在り方は、この作品に求められている辛辣なリアリティからは一番遠いところにあるもののように思えました。

作品の性質と掛け離れた演技、それは許されるものでしょうか。
何度も書くようですが、紫吹淳さんの身体表現力それ自体は素晴らしいです。しかし例えどんなに見た目カッコよくても、私は(今回は)そういうのを観に行ったんじゃないんです。っていうか「それ以上のもの」がないとイヤだったんです。

3K……キレイ・カワイイ・カッコイイ。それが紫吹淳さんの「最低限そうでなきゃイヤ」な条件なのはわかっています。
でもそれだけでは、人生は歌えないでしょう。
私のような者を救う歌は歌えないでしょう。

『ジッキー』でバリバリにキメキメで歌う紫吹淳さんを観ながら…そしてフィナーレでキラキラと中央階段から降りてきたりかさんを観ながら、それが綺麗で格好いいから尚更、私は(ファンなら狂喜して良いところのはずなのに)どうしよう私、もうついていけないかも……と悲しく胃が痛くなる思いでした。
終演後いろいろな方とお話させていただきましたが、もちろん私みたいな感想の方は一人もいらっしゃらなくて(^^;)ああ私やっぱりもうファンやめたほうがいいのかも…と思ったりもしました。

けれど私は、まだ信じています。
いつか…紫吹淳さんが、妖精の国から降りてきてこの汚れた大地に足をつけ、渾沌とした現実に正面から向き合って下さる事を。そして本当の意味での「世界の妖精」になり、私や、多くの人達に生きる力を与えてくださる事を。
それが出来る人だと信じています。

2006/5/31 edit by NEL