テレビ朝日開局45周年 木曜ドラマ

『黒革の手帖』第六週

STORY
「ひと晩つきあえば許してやる」という伝言を伝えに来た安島を元子は「あなたは長谷川の人形」と非難する。元子にとってはこの世界で、安島との出会いだけがひとつの真実だったのだ。

高価な和服や宝石を売り払うが420万にしかならず、店の高級酒と金庫の金は従業員に持ち逃げされ、叡子ママに借金を申し込むが相手にされない。それでも私は私のルールで勝ってみせると譲らない元子。
長谷川は元子に、一生面倒をみようと申し出る。
翌日元子は美容室オーナーの曜子に占ってもらう。結果は「ふたりの男、ひとりは信じられるがもうひとりは悪魔のようにあなたを裏切る」というもの。
長谷川から迎えが来る。料亭「梅村」で元子を出迎えた老女は、意味深げに笑う。長谷川と向き合い盃を手にする元子だが、やはり誰の力も借りたくないと裸足で逃げ出す。

結局ホステス達に払う給料すら無く、ロダンが人手に渡ることを告白する元子ママ。波子と村井が乗り込んできて、元子を追い出す。

安島は長谷川に、もう元子を許してやってくれと頼むが、一蹴される。長谷川は橋田に、この店を買えと持ちかける。橋田は断れない。

元子のマンションには借金取りが押し掛け、買い物に行くこともできない。見張りの目を盗み変装して脱出しようとする元子。バレて追い付かれるが、そこに安島が現れ、元子を自分の車に乗せて逃走する。

長谷川の目の届かない知人の別荘で一夜を明かす二人。安島は元子と共に海外に飛ぼうという計画だが元子は彼を信じ切ることができない。
翌朝、飛行機のチケットを手配に出かけた安島は長谷川の手下に捕まってしまう。安島の車には発信器がつけられていたのだ。別荘にも追っ手が迫り、気付いた元子は安島が長谷川の弱味を握るために持ち出したヤミ献金一億円の領収書を持って、追っ手の裏をかき逃走する。
駅に駆け込んだ元子は突然激しい腹痛を覚え、倒れる。

目覚めた医院で、元子は自分が実は妊娠していたこと、流産したことを知らされる。これで本当に一人になった。いや、元々私はひとり…。

長谷川がいつものように「梅村」でくつろいでいると、ひとりの女がやってくる。元子だ。彼女はヤミ献金の証拠と引き換えに借金をチャラにする事と、ロダンの手付として払った5千万円の返却を求める。
呆然としながらも元子の要求に従う長谷川。

安島の初当選を祝うパーティの会場。原口元子が現れる。安島は元子への未練を残し、黙って去ろうとする彼女を引き止めるが、元子は二人の関係を完全に断ち切る為、安島に2億円を要求し去ってゆく。

橋田は「ロダン」を2億2千万円で売却。契約書に捺印した後で買い手が原口元子であることを知り、激怒するが取りかえしがつかない。
元子は波子ママが仕切るロダンに乗り込み、自分がオーナーになった事を告げる。波子は捨てゼリフを残し出ていく。

ロダンを取り戻した元子。だが昔のように心が満たされることはない…それでも、ここで生きていくしかない。

波子は警察に駆け込み、元子の「黒革の手帖」について話す。

ロダンにやってきた楢林と橋田を、元子ママはにこやかに迎える。
「どうぞ。一番良いお席にご案内しますわ」

END


今週の曜子さま

その1
美容室。ツイードのスーツ姿でボーッとカウンターに寄り掛かっている元子さん。その背後、店の奥からカードを手にした陽子さんと、お茶を持った真希さんが来る。曜子さんは黒のフレアスカート、白のフリルつきブラウス。やっと脚が(一瞬…)
曜子さん
「今日は違うやりかたでやってみましょう。」カードをカウンターに置き手をかざす。
真希さん
「どうぞ。今日はいい結果が出るといいですね」お茶を置いて下がる。ふりかえる元子さん。
曜子さん、カウンターの上でカードを混ぜる。じっと見ている元子さん。カード7枚が星形に並べられ、一枚ずつ表に返される。
曜子さん4枚目をめくり
「ある男性…強い影響力を持つひとりの男性がいる」カメラ、ふたりを横から写す(またアオリ/泣)
「あなたと共にあることを強く望んでいる。」
元子さん
「それは…若い男それとも年輩の?」
曜子さん首を横に振り
「それはわからない。あなたの今、いちばん側にいる人。」安島のことのようでもあり長谷川のようでもあり…
元子さん
「その人は信じてもいいの…」
曜子さん安心させるように微笑み
「ええ。いいと思うわ。」言葉に力があります。次のカードをめくる。
曜子さん
「もうひとり男性の陰があるわね。悪魔のような存在…」
元子さん「悪魔…!?」
曜子さん真剣な瞳で元子さんを見て
「こちらは信じてはだめ。あなたを裏切る人よ。」
BGM、不吉な音楽。元子さんのアップ、カードが映る。

その2
駅で倒れた元子さんが見ている悪夢。白衣でベッドに寝ている元子さん。複数の男女の含み笑いが聞こえてくる(曜子さんの声も…)目をあけると周りをぼんやりとした人影に囲まれている。
楢林
「いいざまだ」
波子
「いい気味やわぁ」
元子さん、ハッとして起きようとするが手錠で繋がれている。
曜子
「落ちるって言ったでしょ?」こーーーわーーーーいーーーー
村井
「いい気味だ」
市子
「終わりね、この女も」
橋田
「この女が落ちるところを見たかったんだ」
楢林
「ハハハハハ!」手術用の手袋をはめている
元子を見下ろして嘲り笑う6人の顔と声が次々に覆い被さる
みなさん「下から懐中電灯」的照明でとーてーも怖いです。

以上。最後の出番がこのシーンとわ…………………


NELの勝手感想文

↑STORYを書き出していて、うーんなかなか見事な最終回だったなと…。
リアルタイムで見ているときは、特に後半たたみかけるように元子さんが復活していくところが信じられず「そんな簡単にいくわけないだろ!」とつっこんでいた自分でしたが。
私個人的には絶対出来ないし、やりたくもない生き方ですが、これはこれで、あっぱれ!!というべきなのかな…と、見返しているうちに思うようになりました。

りかさんが出演していなければ絶対見なかったであろうドラマ。7週間のあいだ、楽しませていただきました。
いま第一回を見返してみると、役者さんたちが(りかさんに限らず)ストーリーが進むにつれ役に馴染んで迫力を増していかれたのがよくわかり、舞台を見るのとはまた違った「お芝居」の楽しみ方ができるという、発見もございました。米倉さんをはじめ、制作のみなさまお疲れさまでした。ありがとうございました。

そんでもって
これが紫吹淳さんのテレビドラマ初出演となったわけですが、悪目立ちもせず、でもしっかりと印象に残るように毎回映してもらってたし、設定的にある意味特別扱いで(特種能力者であるとか、男性とのカラミがない事とか)。これも「制作のみなさま、ありがとうございました」という感じです。

一番好きだったのは第5回の「まっさかさま」のシーンでっす^^。あと散々「怖い!」とかゆっといてアレですが、悪夢のシーンのりかさんはやっぱし「流石役者!!」と思わずにおれませんでした。
ファッションはずーっと白黒だったのが残念ですが(屋外での、トレンチコートはかっこよかった!)ご本人談によれば、
「一度たりとも同じものは着ていません!」だそうです。

次はどんな映像作品で、どんな役のりかさんに御会いできるでしょう。
楽しみにしています。

2004/12/19 up


曜子先生の美容室 撮影に使われたお店はこちら…>OSS