テレビ朝日開局45周年 木曜ドラマ

『黒革の手帖』第二週

STORY

中岡市子を呼び出した元子は、楢林が波子に大金を注ぎ込んでいることを話し、このままでは彼は破滅だと脅す。楢林美容外科クリニックの婦長であり楢林の長年の愛人でもある市子は、激しく動揺する。
そんな事も知らず、新しいマンションの一室でじゃれあう波子と楢林。

行きつけの美容室で元子は恋を予言されるが笑い飛ばし、そこではち合わせた波子に、更なる敵意を燃やす。
カルネには橋田常雄が、議員秘書の安島を連れてやってくる。安島には元子の銀行員姿を見られている…無言で探り合うふたり。その夜、元子の自宅には無言電話がかかり、怪しい人陰がみえる。
いっぽう市子は病院を辞める決心をし、楢林を諌めるが聞き入れられず。元子に教えられたマンションの住所から波子の後をつけ、彼女の贅沢な暮らしを見て愕然。その足で元子の自宅を訪れた市子は、元子から喫茶店の開業を勧められる。その元手は、楢林に払わせよう…当然の権利として、一千万円。元子はその交渉を自分に任せるよう市子を説得し、そのかわりに楢林医院の裏帳簿を持ち出せと勧める。市子はその誘いに乗る。
カルネに向かう元子は、エレベータで波子と鉢合わせ。火花を散らす二人。カルネにも無言電話がかかってくる…。

赤坂の高級料亭では、会長と呼ばれる謎の人物と橋田、安島、波子を連れた楢林が雀卓を囲んでいる。話題は、東林銀行の支店長がなんらかの理由で左遷された事だ。顔を見合わせる4人。

元子ママに呼び出された楢林は、色気で誘われ二人でホテルへ。だが元子の目的は、医院の裏帳簿をネタに金を要求することだった。なんと五千万円を要求され目をむく楢林だが、元子の言いなりになるしかない。
恐喝は大成功。大喜びで市子に電話する元子だが、市子は内心で葛藤している。

元子がカルネに出勤すると、開店前なのにひとりの男性客が。なんと、東林銀行の左遷された元支店長、藤岡が元子に復讐しようと乗り込んできたのだ。激しく言い争い、アイスピックで刺されそうになる元子を間一髪で助けたのは、安島だった……

to be continue


今週の曜子さま

鏡台に向かって座る元子さんの後ろに立つ曜子さん。水晶を握り、元子さんの肩に手をかざして運勢を視ている。タイトな白いブラウスに黒のスカートといういでたち。前回とは微妙に違うブラウス。
元子さん
「どうぉ?」すっかり占いが気に入ったご様子^^。
曜子さん、臥せていた目をあげて鏡ごしに元子さんを見る。
「恋をしてらっしゃる…。」それは私。
元子さん笑って「ううん」首を横に振る
曜子さん
「これからかもしれない。お心当たりありません?」
元子さん、楽しそうに
「私は恋なんてしないの。してるヒマなんてないわ〜、恋なんて。」
曜子さん、ふふっと笑う。
店に波子さんが入ってくる。元子さんと目が合い、挑戦的に近づいてくる。
波子さん「丁度よかったわ、ママ。オープン3週間後に決まってん。」招待状を置く。元子さん平静を装い「そう。おめでと!」
波子さんは店員に呼ばれて去ってゆく。
元子さん、鏡ごしに曜子さんに笑いかけ
「お店のこと、聞いた?」
曜子さんややためらいがちに
「カルネさんと…同じビルだって。」
元子さん、手ぶりをつけて
「真上のお店なの」ふくれっつらをしてみせる。
曜子さん、微妙な表情で
「お察しするわ…」<今回のNEL的ツボ。淡々と同情しているところがたまりません。

以上っ!


NELの勝手感想文

先週は、台風のため一日ズレた野球中継が更に延長になり「黒革の手帖」はオンエアなし。一週間遅れての第二話放映でございました。
前回よりは落ち着いて見られました〜(曜子さまが早々にお出ましになったため、後は余裕こいて見られたというのもある)が、やはりドキドキハラハラの、波瀾のストーリーでございましたね。

とにかく、りかさんのお顔を見ると私は頭が真っ白になってしまうというか…まだ、テレビドラマの中にいるりかさんを見るのに慣れてなくて;どう見れば良いのかわからないというか…やはり冷静には語れませぬ〜ううう。
あ〜でもファッションは、別のパターンも見たいなぁ…毎回白ブラウスに黒のスカートなのかなぁ…あれ曜子さんの私服よね?他の美容師さんは黒のカットソーとか着てるのにぶつぶつ(<鎖骨やら首筋やらが見えないのが不満らしいです)。
でもあいかわらずの、キラリーンと光る大きな目、落ち着いた上品な口調、不思議な雰囲気…素敵ざんす。めろめろでござんす。

ところで、今回は女性がみんな可愛くて可哀想だった。
第一回から、市子役の室井さんの演技はすごいな〜、と思って見ておりましたがいかんせん「ドロドロ苦手」の私はどうも正視できず…でも今回の室井さんイヤ市子は、かわいらしくて哀しい女性で、ぐっとくるものがありました。
彼女が求めているのはお金ではなく、男に復讐することでもなく、派手な暮らしをしたいのでもなく、ただ「センセイと私とで」幸せになりたい。でも波子の出現によって自分のミジメさが表面化し…そこを元子に付け込まれたって感じでしょうか。
どんなに不当な境遇でも、つまらない人生に見えたとしても、本人にしかわからない幸せがそこにあったりする。それはとても大切で、他人に壊されたくないものなのだ…たとえ同性の、理解ある友人だろうと。
それをわかってない元子が、滑稽で哀しい。楢林をやっつけて「大成功よ!!」とはしゃぐ彼女の心には、波子に復讐できる喜びと大金の儲け、にも増して「かつての自分と同じように不幸な境遇にある女を、わたしが独立させてあげるんだ!」っていう、大きな満足感があるんじゃないだろうか。「私を見習えば幸せになれるのよ!」って(波子に対しても最初はそうだったんだよね)。嬉しそうな元子が、カワイイし悲しい。
波子も、いま必死で頑張ってるぶん、今後がかわいそうだし…。
でもそういういろんな「違うんだってば!!」は私の人生の中にもある。
胸の痛むドラマです。

あ、曜子さんは可哀想じゃないです。仙女だし(笑)

2004/10/30 up