テレビ朝日開局45周年 木曜ドラマ

『黒革の手帖』第一週

STORY

大手「東林銀行」の窓口業務担当、原口元子。
支店長の藤岡と次長の村井は、ある日彼女が巨額の横領をしていることに気付く。問い正そうとするが、その表情から「ばれた」と気付いた元子は制服姿のまま銀行を飛び出し、村井は見失ってしまう。
キャッシュコーナーで次々と札束を引き出す元子。現金とともに彼女が鞄にしまいこんでいたのは、銀行の架空名義口座をリストアップした黒い手帖だった。
その足で元子は新橋に向かう。彼女は銀行勤めと並行して銀座のクラブでホステスとして働いているのだ。その高級クラブ「燭台」のママに、これから銀座ひとすじに生きることを告げ「私達の仕事はお客さまに夢を売る事、それはつまり嘘をつくこと」という会話の中で元子は「いままでのほうが、嘘をついていた気がする」と呟くのだった。

元子は支店長に電話し、黒革の手帖の存在を告げて脅す。足元には一億二千万の現金。それを蹴り飛ばす元子。
横領を思い付いたのは一年前。密かに隠し口座の名義を手帖に書き写してきた。
子供の頃のみじめな記憶。そして大金が目の前を通り過ぎてゆく、同僚たちとも上手くいかなかった銀行員時代…残像が蘇る。
「復讐してやろうか、お金に。」彼女はそう決めたのだ。

喫茶店で待つ藤岡と村井の元に、艶やかな着物に身を包んだ元子が現れる。手帖はまだ手放せない。これが切り札なのだ。
「燭台」では叡子ママの誕生日パーティが華やかに開かれている。上客である楢林は、黒革の手帖に名を列ねるターゲットのひとりだ。元子は巧みに彼に気に入られ、ひそかに狙う。
楢林は美容外科医院を持ち、婦長の市子は長年の愛人でもある。だが男は女に飽き、女は不満を抱えている状態だ。

元子は、もとの勤務先であり横領を犯した現場である東林銀行に堂々と乗り込んでいく。藤岡と村井に黒革の手帖を渡すかわりに、一切の返金を要求しないという念書を書かせ、勝ち誇る元子。ふたりの男は屈辱と怒りに燃える。

出勤前に立ち寄った美容室で、元子は、オーナーの櫻井曜子が占いも手掛けることを知る。占いは信用しない、と言いながらもふと気になったように自分の運勢をみてもらう元子。悪くない結果だ。すっかり板についた和服姿で颯爽と歩く元子の脳裏に、曜子の声がリフレインする。
「運気は上昇している。嵐のように。」

楢林と同伴出勤した元子は、店に来ている客・安島に突然手を握られ、会ったことがあると言われる。村井に追われているところを見られていたのだ。知らぬふりで話す元子。
「燭台」の叡子ママは、元子が独立して店を持とうとしていることを知り、食事に誘って励ます。元子は、パトロンがいるわけではないと宣言。
その店で元子は、男に捨てられようとしている若い女・波子と出会う。そのサバサバした様子に惹かれた元子は自分のところに来いと誘う。

元子が出す店の名は「クラブ・カルネ(フランス語でカルネ=手帖)」だ。権利金、内装、ホステスの引き抜きに七千万遣ったが後悔はない。
店は評判もよく、楢林も客としてやってくる。
新しい客の橋田常雄もつれて来る。彼は医大進学予備校を経営する男でやはり黒革の手帖に名をあげられている人物だ。
ホステスとして入った波子はさっそく楢林に気に入られる。が、燭台の叡子ママは波子を見て誉める反面、思うところありそうだ。

夜の銀座を歩く元子ママを、コソコソとつけている男がいる。
それを黒塗りの車の中から見ているのは安島だ。そして後部座席にいるのは、あきらかに裏社会の大物と思われるナゾの人物。彼は安島に「次の参議員選はおまえが出ろ」と軽く語りかけている。

いっぽう「カルネ」従業員室では、いまやナンバーワンの稼ぎとなった波子とホステスたちが喧嘩を。たしなめる元子。

楢林は波子に高級マンションを、そしてそれ以上のものを貢いでいるのだ。波子はカフェに元子を呼び出し、自分の店を持つことを宣言。それはカルネと同じビルの2階上でカルネより大きい「バーデンバーデン」だという。元子は唖然とし、ふたりは口論となり元子は波子にコップの水をかける。「顔を洗って出直せって事よ!」と。

元子は、橋田常雄に相談する。彼は力になろうと約束するが、元子ママの手を握って下心ありありの様子だ。

和服に身を包んだ元子がカルネに出勤すると、ホステスたちは波子にスカウトされて去っていったあと。
新しい波子の店は楢林の財力をバックに、順調に開店準備が進んでいる。

楢林美容外科では、院長の楢林と婦長の市子が陰湿なムード。尽くす一方の市子は、無言で不満を溜め込んでいる。
元子はそこに電話をかける。院長が自分の店のホステスに狂わされ、大金をつぎこんでいるのだとしおらしく語る。狼狽する市子。
波子には負けない。元子と市子は、話をする為に会うことになる。

to be continue


今週の曜子さま

銀座の一角と思われるビルのワンフロア。
「いらっしゃいませ。エモちゃん、お願い」<りかさんの声〜
内装は白を基調とし、陽光と清潔感が溢れる美容サロン。
和服姿で髪はこれからアップにします状態の元子さんが座る椅子の、後ろに立っているのが曜子さん。白いシャツブラウスに黒のフレアスカート(?)というフツーのいでたち。
ロングショットでおみあしが見える。
美容師の女の子が話しかけてくる。
「先生、『森』のママがきょう占いお願いしたいって電話がありました。」
曜子さん
「そう…。」あごに手をあてる仕種^^。
「占い?」振り向く元子さん。「先生の当るんですよ!こわいくらい。」
曜子さん
「(ふふっ)遊びでやってるの」すでに元子さんとは親しいのか?
元子さん
「私ね〜信用しないの、占いって」
曜子さん
「そのほうがいいです(にこ)」<ここがNEL的ツボです鏡越しに彼女に微笑み、去ろうとする。
元子さん、雑誌のページを繰りながらふと気になったように
「私はどうなるのかしら…」と呟く。振り向く曜子さんと女の子。
元子さん
「ねえ、成功する?」
独特の笑みを浮かべて元子さんの背中に近づく曜子さん。
胸に下げている水晶のペンダントを握り、肩に手を近付ける。暫し目を閉じたあと、ゆっくりと口を開く。
「運気は上昇している。嵐のように。」

以上っ!


NELの勝手感想文

りかさん、TV用のお芝居はまるっきりこれが初めて! 見るほうもトーゼン初めて!!ということで、ワタクシとにかく緊張していまして…
見終わったときにはどっと疲れておりました。
一応原作も読んでますので、エッもうカルネ開店なの、もう波子ちゃん来たの、もうバーデンバーデンなの〜!?って感じのジェットコースター的展開についていくのに疲れた、っていうのもあると思います。
しかしあれだけ詰め込んでいながら抜くところは上手く抜いていて、何処にも破綻がみられない(そりゃ、細かいこと言ったら何かあるかもしれないけど)ほんとーに良く出来た脚本だな〜と思いました。感服でございます。

綺麗な町並みやゴージャスなクラブの光景、綺麗なドレスや着物姿の女性がワンサカ〜♪っていうだけでも見ていて楽しいです。夜の銀座…やっぱり憧れの世界ですもんねぇ。
米倉さんのママさんは、キリッとした雰囲気でとてもハマっていたと思います。OL姿の元子さんも、すごく雰囲気でてたし。モノローグも良い感じ。

んで、釈さんの波子ちゃん。じつは私この子好きになっちゃいましたね〜。原作ではそうでもなかったんですけど。
あの子って、基本的には元子ママの事が好きなんだと思うですよ。「ママだ〜いすき!」って本心だと思う。「態度が目に余る」って怒られてるときの表情はちょっと悲しそうだったし。んで自分の店を出すことになった時も「きっとママはほめてくれる!」くらい思っていたんじゃないかなぁ。でも誉めてくれるどころか、いきなり水ぶっかけられて「なによ!」みたいな。「もっと心の広い人だと思ってたのに、裏切られたのはこっちよ!!」みたいな。
猫と一緒なんだと思いますよ。(奴ら、自分は快適に暮らす権利があると思ってるから。ザブトン出すとすぐ乗るし、人のゴハン奪うの当然だと思ってるし…で怒ると「なんで?」って顔するのよ〜)
釈さんがそこまで意図して演技してらしたのかどうか、私にはわかりませんが。表情をみていてそんな感じがしました。かわいいじゃん。(<オヤジか!?自分)

で、曜子さまには何も申し上げることございません。とりあえず美しくお映りになっていてよかったです。浮いてなかった…よね…?ね?? それにしてもあたまが丸い!ほかの人と一緒に映るとビックリするくらい丸くてちっちゃい!! 水晶があやしい!!
はぁ。冷静には語れないわ、とても…

2004/10/17 up

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