ここでは、管理人NELが日々の生活の中で思うことや、綺麗だな〜素敵だな〜と思うものについて語ります。

 2005年 5月2日 ありがとう、そしてさよなら

『グッバイ、チャーリー』名古屋千秋楽での楽屋出のりかさんです。(出、なのかな…?1Fのエントランスで待って居たファンの手紙を受け取ってくださって、手を振って、またエレベーターで上がっていかれたようでした。)
掲示板にも書きましたが、待っていた人数はハンパでなく^^;建物内ではおさまらず、外は雨が降っていましたがその屋根のある部分にも待っている人が並んでいたようでした。もっとも中日劇場は「楽屋口」が別になっておらず観劇した人はもれなく1Fエントランスを通って帰るわけで、大勢のりかファンが並んでいるのを見て「自分も!」と思った方もいらした事でしょう。(りかさんに向けて携帯のカメラを構える人も多かったですが、スタッフさんが注意すると皆やめてくれたようでした)
それにしても確かに「出来るならもう一目会ってから、帰りたい!」と思わせるりかさんだった…というか。ああ、いとおしく名残惜しいチャーリー。
そして期待どおりに、いやそれ以上に、応えてくださった、りかさん。

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とてもいい作品で、いい公演でした。
私は計5回の観劇でどの日も微妙にちがう、でもすべて魅力的なチャーリーと向き合うことができ、とても幸せでした。

とはいえ、じつは;2回めの観劇あたりで、ちょっと自分的には「この作品、まずいかも?」と思ったりもしました(あくまで「自分的には」)。
あの展開は…もちろんハッピーエンドの筈なんだけどでも…
『君がチャーリーでさえなかったら』と言われて、ほんとうに『自分ではない女』に生まれ変わって、それで幸せ!??
自分の持って生まれた身体を失い、37年かけて築いてきたはずのすべて(ジョージとの友情以外)を失い、ものの考え方さえ「変えさせられて」最後には自分自身そのものを消滅させなければ幸せになれないのか?
『チャーリー』という人は、その存在というものはどこへ行ってしまうのか…
いくら元が悪人ったって、それをりかさんが演じているからにはタダの悪人なわけないわけで。

そういう思考にハマると、私はどんどん暗いほうへいってしまうのでした。
あまり考えないようにしよう、と思いつつも、やはりりかさんのお芝居は私に「生きるってどういう事なのか」考えさせずにはおかないのでした。

でも、むちゃくちゃな状況の中でもなんとか方向をみつけて、積極的に自分を変えていこうとするチャーリーの力強さが、私は好きでした。
自分にはない前向きさというか、バイタリティというか…希望がそこにありました。

うれしいことに、名古屋の最終回では、すべてを納得することができました。
ジョージがどうしてもチャーリー(女性)の愛を受け入れることができなかったのは…彼にとって、親友としてのチャーリーを消すことができなかったから。妻を寝取られよーと迷惑かけられ続けよーと、そんなしょーもない男だったチャーリーが彼は好きだったのだと思う。最初の葬式シーンで「結局、チャーリーはチャーリーだったのです!」と言っていたのも、女性となったチャーリーに告白された時の苦悩も、きっとそういう意味だったのだろう。
そしてチャーリーのほうも。人格を「変化させられた」のではなく、彼自身には1本筋が通っていて(女性の身体になっても)ただものを見る角度が変わったために考え方も自然に変わっていったのだ、ということが、納得できました。
そして、彼が(彼女が、ではない)心から「もう一度奇跡を」願い、その願いを神が叶えたからオードリーが出現したのだ、という事もよくわかりました。
とても、良かったです(涙)。
大浦龍宇一さんと紫吹淳さんは、すばらしい役者コンビでした………。

再演を望む声がすでに沢山あるようですが(^^)私は、数年後とか…りかさんが色々な役をなさってプライベートな恋もなさって、ちょっと時間をおいてからの再演がいいな。ジョージは必ずや大浦さんでお願いします。

 2005年 5月8日 五月

長かったゴールデンウィークも今日で終わりです。
この2週間の個人的なあれこれ、まとめて日記。

4月24日 『グッバイ・チャーリー』観劇のため東京へ。行きは新幹線、帰りは夜行バス。観劇は昼だけで、久しぶりにお会いするお友達(小説家の宮乃崎桜子さん。毎公演1回は誘っている)と一緒。面白かったと言ってもらえてひと安心。観劇後はお茶しながら沢山話して、良い時間でした。
その後また別のお友達と待ち合わせ、夕食を御馳走になる。りかさんの出待ちに間に合うように…とわざわざ劇場横まで来て頂いたのに、お話のほうが盛り上がって出待ちはパスしてしまいました。でも、とても有意義だった…。
さらに、バスに乗るまでまだ間があったので、久しぶりに新宿二町目の某バーへ行く。東京に住んでた頃によく通ったお店でしたが、もう誰も私の顔を覚えていないだろう…と思ってそーっと入っていくと、カウンターの中の女の子がすぐ気付いて、すっごく喜んでくれた。もちろん私だって彼女の事は忘れていなかったが…それにしても嬉しかった。お店は4月一杯で閉店との事で、常連客で私にも優しくしてくれてたMさんが昨年亡くなっていた事もはじめて知った。なんだか、店が私を呼んだのかなぁという気がした。私がまだりかさんに出会う前の一番荒れていた頃(笑;)に、いろいろとお世話になった、いいバーでした。

4月29日 京都市内の『城南宮』という史跡でイベント「流水の宴」が行われるのを見に行く。和歌を詠む人達が平安時代の装束で庭内の小川のほとりに座り、流れてくる盃を取って歌を詠むという貴族のおあそび(競技なのか?)。すごい見物人の数でしたが、それでも穴場だったほうでしょう…和歌の宴の後に同じ小川で「ひいな流し」があり、それは一般人も流せるということだったので参加してきました。京都に住んでるといっても、積極的に出歩かないとこういうものは見られない(でもその気になれば本当に色々なイイモノが見られるので、得です)。
その足で実家に帰る。昨年のGWに帰省して以来、1年ぶり。姪がもう高校受験だという…@@;なんでそんなアッと言う間に大きくなるんでしょうか、子供っていうのは。私が通っていた高校の制服も変わったとかいうし、故郷の色々な事がなんだかもうわかんなくなってる〜。とりあえず両親はまだ元気そうなので安心する。
翌30日は、同郷でりかファンの某様に街を案内していただく(←すっかりヨソ者。)

5月1日 実家から名古屋に向かう。詳しくは前回の日記に

5月2日 何をしたか覚えていない。日記を更新しただけ?

5月3日 同上。掲示板用のアイコンを3つ作って力尽きた。

5月4日 水曜日、映画レディースデー。朝から市内に出かけ『阿修羅城の瞳』『オペラ座の怪人』『真夜中の弥次さん喜多さん』3本続けて見る。
阿修羅城とオペラ座は舞台が原作、弥次喜多はマンガが原作。どうしてこう偏るんでしょうか、私の観るものは…。オタクの魂百まで。
『阿修羅城の瞳』…宮沢りえさんがバケモノだった。役柄の事だけでなく。だってアノ人いま何歳よ!?10代に見えたよ………@@;鬼になってからの彼女は年齢不肖だし。とにかく綺麗だった(りえさんが)。
『オペラ座の怪人』…観ておいてよかった〜!ぎりぎり間に合ってよかった。もー何も言えないすごい作品ですな。音楽も俳優さんも映像もストーリーそのものも素晴らしく美しくて迫力がありました。いや〜いいもの見た。やはり、こういうのは見逃しちゃいけませんね。
『真夜中の弥次さん喜多さん』…じつはこれが一番面白かった、かも…。このノリに素直に乗れる自分が嬉しい(これを見て「わからん」と言うような自分にはなりたくない)。もちろん笑ったし、泣きもしました。作中で喜多さんが「弥次さんだけが俺のリアルだ」という。いいなぁ…でもそれって怖い現実だな…。

5月5日 柏餅と粽を食べた…以外の事を覚えていない。『グッバイ・チャーリー』Story解説のイラストにとりかかったのだと思う。1日で出来るかと思ったら全然出来なかった。

5月6日 さあ仕事だ!と思って工房に行ったら、9日からにしてくれと言われた(がーん)。帰ってイラストのつづき。

5月7日 やっとアップした。なんでこう体力がなくなちゃったんだろう(←それは歳…)

5月8日 某様に誘われ、宝塚大劇場へ花組公演『マラケシュ・紅の墓標/エンター・ザ・レビュー』を観にいく。
お芝居の作演出は、あの!『螺旋のオルフェ』をつくった荻田先生である。なんの予備知識もなく観に行ったのですが、オギー演出というだけで「きっと美しいに違いない」と期待していました。…ら…主人公のふたりが「パリの思い出」に浸るところで、私の目にはアリオンが見えてしまった。本当です。いや本当に見えたわけではありませんが、マラケシュの遺跡のようなセットの、上の暗くなってる辺りに確かに「居る!」って感じがして、アリオンがマントを翻すのさえ見える気がして、驚いていると、実際舞台の上では時間が過去に遡って場面はパリのムーランルージュになってジビさんが出て来て歌いはじめて、中央に螺旋階段までもが出現したのです。…ぎゃああああ〜…っっっていうか、私の目からは涙がドバーでした(←他人から見たら意味不明)なによ!これはアレの続編じゃないの!!(と思ったのは私だけかもしれないが…まちがいなく時空が繋がってるわ、この2作は)それならそうと先に言ってくれよ!!うわ〜(動揺)。
久しぶりのムラはあいかわらず独特の結界のなかにありました…やはり「タカラヅカ」はそれ自体がものすごく大きな一個の生き物だなあと思う。巨大な七色のアメフラシのようだ。…頭がぐるぐるしてちょっと怖い感じがした。やはりオギー作品は素晴らしいです。
ショーも素敵でした。この公演で樹里咲穂さんが大劇場をご卒業ということで…わたしは、樹里ちゃんはりかさんの次くらいに好きな生徒さんだったのですが(タニはまた別格)、あまり舞台を観ることもなく終わってしまったなぁ…でも最後にとても良いシーンを沢山観られたのでよかったです。歌よしダンスよしお芝居も良し。スタイル抜群で人柄も良し。
ご卒業後の樹里さんのご活躍も…まだ何をなさるか聞いていませんが、あれだけの方が舞台から離れるとは思えない…楽しみにしています。(←観る気満々)

 2005年 5月13日 血の起源

10日、梅田ドラマシティで「寺山修司生誕70年記念公演『血の起源』」を観てきました。HP
出演は元花組トップスターの安寿ミラさん、正統派バレエダンサーの西島千博さん、バレエ・モダン・ミュージカルと多彩に活躍する舘形比呂一さん。アンド5人の男性ダンサー、5人の少女ダンサー。演出は栗田芳宏氏(キャストとしても出演)音楽は「マツケンサンバ」の作曲家として知られている宮川彬良氏。

とにかく、生ヤンさんを観たい一心でチケットを取ったら補助席でした(客席の最後列と壁との間にパイプイスがっ)おまけに、仕事帰りで直行したら遅刻してしまった。惜しい…

私は、寺山修司作品を舞台で観るのはたぶんはじめてで、チラシからは非常に抽象的で難解なイメージが伝わってきたのですが、実際に観たらとても耽美的でポップといってもいいわかりやすさでした。台詞はほとんどなく、音楽とダンスと照明と舞台装置ですべてを表現する感じです。宝塚でいうとショーの中詰の後にくる、幻想的でストーリー性のあるシーン…の、すごく濃いやつ(乱暴な例えだな)。

一見歌舞伎の舞台のようです。シモテ奥に上下に開閉する垂れ幕があってそこから人物が出入りする。暗い空から赤い布が垂れ、舞台のほとんどを占める四角いプールには本物の水が張られ、縁は70センチほどの幅で、水の中でも外でも人が踊ります。
ヤンさんは「女」西島さんが「男」そして館立さんは「子」かな…生まれなかった子供か、生まれて家族を殺した子供か、男か女かもよくわからない。
舞台全体が女性の子宮をあらわしていることは明らかでした。水は羊水、赤い布は血と胎盤。

私は本来そういうテーマ(性交、妊娠、出産…の一連の流れに関わるもの)は大の苦手です。でも、この舞台はとても楽しめました。「女」をヤンさん以外の女優さんが演じてらしたら又違ったかもしれませんが……安寿ミラさんは氷のようでもあり炎のようでもあり本当に美しかった……。青い照明に揺らぐ水。降りしきる赤い花弁。妖怪のような少女たちのコーラス。館立さんの肉体美はすばらしいし、音楽も耳に優しく(宮川さんのピアノ生で聴けたし)よかったです。
上演時間は1時間強でした。が、ものすごいパワーと渾沌が劇場中に渦巻いていて、仕事帰りでお腹がすいていた私はちょっと負けそうになりました(^^;)そして曲が…「あなたのあなたのあなたのあなたのあなたのあなたの おかあさんをください」という歌が耳に残って離れません。

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りかさんは、11日にお台場のフジテレビでトークショー。
これは事前にFC会員には告知があったし、実際行かれた方にお話を伺うこともできたのですが、私は何も書くことができません。
なんでだろう… ←自分がその場にいなかったからだ
なぜその場にいなかったのだろう ←遠いし、仕事があってお金がないからだ
そうか… ←まだ、よくわかっていないらしい

とにかく、りかさんが今お元気で可愛くて、お稽古厳しいながらも楽しんでいらっしゃる様子なのがわかって嬉しいです。
以前のように頻繁にお顔を見ることができないのはもう、しようのない事なんで、この距離感に落ち込まないように自分で自分をコントロールしていくしかありません。
私のモットーは「手に入らないものは、ほしがらない」です。

いつも元気で、しあわせでいて下さい。西の空の下から、祈っています。

 2005年 5月18日 ばらばら

<変わった色の薔薇です。職場の近くで勝手に撮影。この季節は其処此処のお宅が競うように様々な薔薇を一杯咲かせて(たぶん本当に真剣に競っているのだろう)、通行人を楽しませてくれます。
今月のしょっぱなは初夏のように暑い日もあったというのに、ここしばらくは「寒いっ!?」というくらいの天候続き。暑くなるとすぐバテる私としては、今くらいのが丁度良い…でもこのまま冷夏だったら野菜とれなくなるよなぁ…(←自分で野菜を作ってるわけではありませんが)

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今日は『新潮45』にりかさんの記事掲載…ということで、早速書店でチェック。おお、目次のすぐ後のグラビアだー。写真が良いーーーっ。特に3ページ目がイイーーーッ。
買おうかどうしようか他の記事はどんなかなと、ページをめくってみたのですが…ちょっと色々…私にはちょっと重すぎる、かな…という感じでしたので買うことができませんでした。色々と面白そうではあったんですが^^;
前回の日記にもちょっと書きましたように私は「生殖」に関わる一連のテーマが苦手で、正面から向き合うことができません。なぜ苦手かというと自分でもよくわからないんですが、何かトラウマがあるのでしょう。トラウマを自覚してるという事はつまり関心がないわけではないわけで…事あるごとに考えることはあるのだけど、いざ「これが本当の事だよ」とつきつけられると、怖くて逃げてしまう。あるいは拒絶反応が出て具合が悪くなってしまう(映画を見ていて気持が悪くなったり、本を読んでいてお腹が痛くなったりする)(流石に、若い頃に比べればおちついてきたけれども)。
ただその「苦手」は人間の営みに関する事に限られるようで、野生動物や猫の性交妊娠出産なんかは生で見てもぜんぜん平気です。むしろ興味深く見てしまう。いろいろ考えさせられます。

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最近ハマってるのが、『google検索』
以前から検索エンジンはgoogleを使ってましたが、主に調べ物(資料がほしいとか)で。
りかさん関係でランダムに使うようになったのは「黒革の手帖」について普通の人の感想を読みたいなーと思ったあたりからでしょうか。もちろん、すでに読んだ新聞記事なども一杯ヒットしてしまうのだけど、コツは、なるべくマスコミが使わないようなワードで検索すること。すると、紫吹淳ファンではないが舞台好きとか、エンタメ好きな人がりかさんに関して書いている文章などが読めて興味深いです。
これからますます、そういった「個人の」感想や情報が私にとって多くの意味を持っていくでしょう。

それにしても、blogの普及率はすごいですね。まさに「一億総情報発信者時代」なのかも。

とか言う私もしばらく前からコッソリblogをつけています。りかさんとは全然関係のない、猫日記なんですけど。こっちは誰にも教えなかったらホントに誰も来てくれないのだった………

 2005年 5月28日 黒蜥蜴

こないだの日曜日、神戸国際会館で美輪明宏さん主演の舞台『黒蜥蜴』を見てきました。
これは、私が前々から「りかさんに演じて頂きたい役ナンバーワン」と目をつけている作品でございます(←勝手に……)

原作:江戸川乱歩。脚色:三島由紀夫。演出&主演:美輪明宏。
すごいラインナップでございます。
原作が発表されたのは1934(昭和9年)。原作ファンだった三島由紀夫が乱歩先生の許可を得て劇化、初演は1962(昭和37年)主演:水谷八重子。その後、三島由紀夫が美輪明宏(当時は丸山明宏、シャンソンを歌っていた)に強力に惚れ込み、水谷八重子さんの勧めもあって美輪さん主演で1968・69年に上演&映画化され、1972年に三島由紀夫が割腹自殺の後はずーっと間が開いて、1993年の再演からは美輪氏がすべての演出を手掛ける……という、作品自体にズッシリとした歴史が残ってございます。
でも!お話はとてもわかりやすい。私は原作は子供の頃に読んで、映画は何年か前に見たことがあったのですが、今回舞台を見て「やっぱりオモシロイー!」と思いました。
天才的名探偵・明智小五郎と、誇り高き女盗賊・緑川夫人(=黒蜥蜴)との恐怖恋愛劇(←そうプログラムに書いてある)。
美しい日本語で華麗にいろどられる大正浪漫(たいしょうろうまん) いまや日本のどこを探しても滅多にお目にかかれない高い美意識、猟奇的な欲望と秘密の恋とが錯綜する、これは日本人の日本人による日本人のためのエンターテインメントなのです!!はぁはぁ。

なにより、黒蜥蜴のキャラが魅力的です。ああ、あれを紫吹淳さんが演じてくれたらなぁ…
ストーリーを全部説明するのは面倒くさいので(←おい)
・宝石商の娘、早苗に「あなたにお似合いの方よ」と言って若い男・梅宮(じつは黒蜥蜴の手下)を紹介する緑川夫人。ゴージャスな紫のドレス。みつめあう若い二人を背に、ライターに火をともして妖し気な独白をする黒蜥蜴(←あまりの妖しさに内容を覚えていない)とか
・明智小五郎にジャマをされて早苗誘拐に失敗し、男に変装して逃げるシーン。トレンチコートに帽子を被り、鏡の中の若い紳士(=自分)に向かって「それにしても、明智って素敵だと思わない?(フフッ)」と語りかける黒蜥蜴、とか
・早苗を誘拐し、船でアジトへと向かう。途中、明智がソファの中に潜んでいる(…;)ことに気付き、手下たちに命じてソファごとスマキにして海に捨てさせる(その前にソファのクッション越しに熱烈な愛の告白をする)。手下を下がらせ、甲板から赤い薔薇を海に投げる黒蜥蜴。背中の大きく開いた黒のドレスに黒の長手袋。下男の松吉だけが黒蜥蜴の悲しみを知っている(じつはこの時点で松吉=明智の変装なので、観客はフクザツな気持)とか
・秘密のアジト「恐怖美術館」でのクライマックス。赤大理石と黄金のセット(狂王ルードヴィヒの部屋を連想させる)に、純白のロングドレスで、毒をあおる黒蜥蜴。「捕まったから死ぬのではないわ、あなたに全てを聞かれてしまったから…」彼女の誇りがそれを許さないのであった。
駆け付けた早苗の父(宝石商)に向かって「あなたがたは偽物の宝石を売り買いすればいい。本物の宝石は、死んでしまったからです!!」と叫ぶ明智小五郎。うっうっ(涙)。幕。

いまの若い人達が観たら「古臭い」と思うかもしれないし私も正直「見得」を張りすぎ(歌舞伎っぽい?)かなと感じたりしましたが^^;やっぱりあれ程に淫美耽美な世界は他にありません。
ああ、りかさんで観たいなぁ………でもこの作品は美輪様のライフワークなんですよねー。
いつかりかさんも、ライフワークとなる名作に巡り会ってほしい、と願いつつ。いまは「黒蜥蜴=紫吹淳、明智小五郎=大浦龍宇一」で脳内上演に励んでおります。おほほほほ。

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余談ですが、『黒蜥蜴』上演の合間のアナウンスで「客席であまりに咳をされますと他のお客さまのご迷惑となり、苦情がきております」ゴホンするときは口にタオルを当てろ、または「咽飴の用意もございます」とアナウンスされていました。びっくりしましたが…よく考えたら、その位マナーに気を遣うのが本当かな……

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そろそろライザ・ミネリに関する予習を真面目にしたほうがいいのでは?>自分